Aset #8 Report

DoctorGelさん寄稿によるレポートです。
2011年3月6日に行われたAset #8のDoctorGelさん寄稿によるレポートをどうぞ。

私はツチノコの存在を本気で信じています。
あの日もそうでした。ツチノコを求めて中野を歩き回っていたんです。もしかしたらここにツチノコがいるんじゃないかって、コンビニのゴミ箱の中をさぐったり、自動販売機の釣り銭が出てくる口に手を突っ込んだりしていたんです。でもそこにはツチノコはいないし、一銭たりともお金になりそうなものはありませんでした。
「やっぱりツチノコなんてそうそういないし、お金を稼ぐのも簡単なことではないんだな」とあきらめかけていたそのとき、電信柱の陰にまさしくツチノコのようなものを見かけました。
「あ、ツチノコ!こいつをマスコミやなんかに売り払えば一儲けできる!」と喜んだのもつかの間、そいつはツチノコなんかではなく、ただ垂れ流された犬のフンだったことに気がつきました。「なんだよ、このままだと今日も野草を食べてお腹をふくらませなければいけないじゃないか」と、がっかりしながらもそいつをビニール袋に入れようとしたとき、その犬のフンはよく見ると”heavysickZero”っていう風に読めることに気がつき、なんとなく中野heavysickZeroへ足を運んでみることにしました。

というわけで、犬のフンをフィーチャーした前置きも恒例になってきた今日この頃(今回で2回目)ですが、上記のとおり3月6日に行われたAsetというテクノパーティーに行ってまいりました。
今回はゲストDJとして初出演のyone-koさんを迎えたり、関西方面からcurrymaniaさんやSeihoさんも来てくれたりなんかしてのなかなか珍しいラインナップとなっておりました。
それでは微かな記憶をたよりにレポートでも書いてみます。

中野heavySickZeroに入っていつも通りB2にビールを買いに行くと、そんなにB2のしょっぱなを飾るのが好きなのかよっていうくらいに毎回B2のしょっぱなを彩っているTJMTさん(新婚)がDJしてました。
TJMTさん(新婚)は、以前はハウス色の強いプレイをしていてオシャレTJMT(新婚)らしいオシャレハウスをかけていたイメージがあるのですが、ここ最近は結構テクノな雰囲気です。テクノテクノしてます。テクノ・テクノ・テクノですね、言ってみれば。
まぁただ単にAmodeというハウスパーティーが出来たのでハウスはそっちでやっといて、Asetではテクノテクノしてやろうということかと勝手に想像しているんですが、このテクノテクノしているTJMTさん(新婚)もなかなかAset以外では聴くことが出来ないので非常に楽しいです。
まぁ、TJMTさん(新婚)は新婚さんなので、夜の方もテクノテクノしているんだと思いますがね(意味はわかりません)

んで、B1の一番手さんはエレクトロニカとかドローン色の強いQ-TAさんでした。Q-TAさんのことだから、ビートとかほとんどなくてホワーン、ホワホワーンぴよーんぬちょーんみたいな感じだと思ってたんですが、意外や意外、ブレイクビーツ的なエレクトロニカ的なビートがあって踊れる感じになってました。
テクノのパーティーというとやっぱり基本4つ打ちになっちゃうわけですが、4つ打ち意外のビートが聴こえるテクノのパーティーも私は好きなんです。なのでAsetにおけるQ-TAさん的な位置の人ってけっこう貴重かもしれないですね。ちょっと別の角度から責められるっていうのにけっこう感じちゃったりします。
今回のタイムテーブルは「Q-TA~フロッピ」となっていて、途中のテキトーなところでフロッピさんに交代となりました。
フロッピさんはITDJの創始者ですし、DJ歴も長いしでそりゃあもう安定感バツグンなプレイを聴かせてくれました。エレクトロニカから渋ミニマルの繋がりが全然違和感なくて、地味音楽同士の相性の良さを思い知りました。
どうでもいいことなんですが、部屋が汚い仲間としてフロッピさんには親近感がわきます。

そのころB2では、今回初登場となったノロやまださんがプレイしていました。
やまださんは元々はElectribeの演奏や、Make Meetingやらの電子工作やらで活躍をされているかたですが、ここ最近はニコニコ生放送やなんかでAbleton Liveを使ってのPCDJをしているイメージの方が強いかもしれません。
さすが年齢を重ねているかたなだけあって初めてのAsetでのプレイも実に堂々としていて、若い人に負けない渋いミニマルを聴かせてくれました。今回やまださんはすごく小さくて可愛いMIDIコントローラーを使っていて、すごく可愛くて小さいのですごく可愛くて小さいなと思いました。あれちょっと欲しいです。

B1では私が好き好き大好きDJの無印さんが、今回もディープなプレイをしてくれてました。昨年11月の無印さんのAsetの音源なんて何回も聴きましたからね。今回のプレイもディープかつ踊れる音でとてもかっこよかったです。
なにがかっこよかったって、「HOUSE MUSIC」と書かれたTシャツを着てるのにハウスミュージックをほとんど流していないところがとてもかっこいいですね。ハウスパーティーのAmodeでは「TECHNO MUSIC」Tシャツを着てくれることに期待しましょう。

そしてなんだかんだあって、B2でチャックさんがDJを始めてから私はもうB2の虜になってました。
どういうことかと言いますと、普段はハードテクノをメインにプレイしているチャックさんが今回はドラムンベースをプレイしたのでした。それがもう熱すぎでかっこよすぎで私のテンションも一気にぶち上がりましたね。
なんなんでしょうドラムンベースって。身体が勝手にガンガン踊り狂ってしまいます。これはもう楽しすぎでした。B2フロアはやはり大盛り上がりで、お約束のテキーラタイムもあったりしてみなさん泥酔モードになってましたね。
そんな大盛り上がりのチャックさんのプレイを継いで、ドラムンベース界の鬼軍曹currymaniaさんの鬼ドラムンが始まりました。
currymaniaさんのDJはニコニコ生放送やUstreamで聴いていて、いつかは生でそのプレイを堪能したいと前々から望んでいたのですが、ついにその夢が叶ったのでした。
生で聴くcurrymaniaさんのプレイはこれはもうさすがとしか言えません。私は荒れた感じの極悪な音が大好きなのですが、currymaniaさんはそんな私のツボをことごとく突いてきて、さっきのチャックさんに続いてそれはもう踊り狂いました。もうこのあたりの時間は、世の中の嫌なことやら気に入らないことも全部吹っ飛んで踊り狂って叫んでしまいました。クラブで聴くドラムンベースはそりゃもう原発が爆発するくらいの破壊力をもってます。
currymaniaさんは京都のかたなのでなかなか中野にはこれないと思うのですが、またステキなドラムンを聴かせてもらいたいですね。

そんな熱いドラムンベースからのB2オーガナイザーまんたろうさんの登場です。
まんたろうさんもベテランDJなので、安心して身体をゆだねて楽しむことができるDJさんです。
・・・と思いきやなんだかまんたろうさんの様子が変です。変というか、ふらついてます。ふらついてるっていうか、酔っぱらってます。それもかなり。
まんたろうさんが泥酔するのはよくあることなんでそんなに気にもしていなかったのですが、今回のDJは後々に語り継がれるかもしれないと思うくらい、それはもうとてつもないものでした。なにせ泥酔したうえでアナログを使ってのDJですからね。
まんたろうさんは以前はノートPCを使ってPCDJをしていたのですが、酔っぱらってノートPCを落としたりするくらいいつも酔っぱらっているイメージがあります。そういうかたがアナログでDJをしたらこうなる、っていうのを思い知らされた感じがありました。
なにせピッチが合わない状態でへらへらとミックスとかしてましたからね。そういうハップニングがまたフロアを盛り上げちゃったりするわけですが。そんなアヴァンギャルドなDJとして今回のAsetでは目立った感があります。しかしB2フロアがいつも盛り上がるのはまんたろうさんのムードメーカー的な部分が多く占めている感もあるし、同じく酔っぱらいの属性を持っている私はそんなまんたろうさんのことが大好きです。また次回Asetでも泥酔してください。

そんなまんたろうさんからのへたれさんの登場となりました。
へたれさんはバッキバキのハードミニマルだったり渋いミニマルだったりと幅広い音楽をいつも聴かせてくれますが、今回はファンキーなディスコをメインとした選曲となっていました。
デケデケディスコ好きにとってはかなり垂涎もののプレイだったかと思います。この辺の私はもう記憶がけっこう危ういのですが、腰をクネクネさせながら踊っていた気がします。
へたれさんのDJも個人的に大好きなのでもっとたくさん色んな場所でプレイして欲しいですね(もっと個人的に言うとバッキバキのハードミニマルを)

そんなこんなで今回のAsetもバラエティに富んだラインナップとなっていて非常に楽しめました。
え、B1のレポートが少ないって!?はい、残念ながらゲストDJさん達をほとんど聴かずしてB2に居座り続けてしまいましたのでそれは少し心残りがあります。なので今回B1でプレイされた方々はまたAsetに来ればいいんじゃないかなと思います。
というわけで次回のAsetはゴールデンウィークまっただ中の5月1日の開催となります。ゴールデンウィークに予定がない寂しい人達はぜひ来ましょう。こんなクソレポートを読むくらいだったら現場に来て直接身体で音を堪能しやがりなさい。きっと損はしないと思います。
それではまた5月に中野heavysickZeroでお会いしましょう!

Written by DoctorGel

Author Profile

DoctorGel

DoctorGel
ASETのレポート担当。